【不動産】宅建業者の取引の相手方に対する説明義務
2017年8月18日
ここ数年,低金利の影響もあってか,顧問先等から不動産仲介に関するご相談をお受けすることが増えています。
最近お受けしたご相談に関連して,気を付けなければいけないなと思ったので,情報提供です。
不動産の売買をする場合に,売主と買主が,それぞれ別の宅建業者に仲介業務を委託する場合があります。
その場合,宅建業者が,自身の委託者に対して誠実義務や説明義務を負うことは当然です。
他方で,ここは勘違いされやすいのですが,宅建業者は,売買契約の相手方に対しても,同じく誠実義務や説明義務を負うものとされています(宅建業法31条,35条,最高裁昭和36年5月26日判決等)。
双方に仲介業者がついていた売買の事案で,物件に関する不利益な情報を,買主側仲介業者には伝えていたものの,買主本人には知らせなかったとして,売主側仲介業者の責任が認められた裁判例もあります(大阪高裁平成16年12月2日判決)。
共同仲介の場合も,気を抜かず,しっかりと調査,説明義務を果たすことが大切です。