【企業法務・内部関係】会社,法人の内部紛争への備え
2019年5月24日
最近,よくご相談いただく内容として,企業内部の経営権を巡る争いがあります。
ビジネスパートナーと共同で会社を設立する場合,多くの方が,まさかパートナーと揉めることなどないだろうと考えます。わざわざ揉めそうな人と事業を始める方もいませんからね。
ところが,他人同士が一緒にいると,経営方針や考え方違いのために仲違いしてしまうことは少なからずあります。
そのような場合,特に少人数で始めた会社では大きな問題が生じます。
例えば,二人で合同会社を設立した場合,業務執行の決定は,定款に特段の定めがない限り,二人の社員の過半数によって行われます(会社法590条2項)。そのため,実際には二人の意見が一致しない限り業務執行に関する決定はできないことになり,二人が仲違いして話し合いができなくなると,業務執行の決定が全くできなくなってしまいます。
仮に,単独で業務執行を行った場合,損害賠償責任等を問われる可能性があります。
このような場合に備え,特定の業務執行の決定については,定款で代表社員に委任したり,協議が整わない場合の定めを置くなど,事前の制度設計が必要です。
株式会社を,半々の出資で設立した場合などにも同じような問題が起こり得ます。
会社設立に当たって,紛争に備えた定款作成,株主間契約などができればベストですし,定款変更や株主間契約は,会社設立後も可能です。できれば,揉める前にご相談ください。