【企業法務・労務】新型コロナウイルスの影響によって従業員が休業した場合の給与支払いについて
2020年3月12日
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,従業員を休業させた場合の給与の支払いについて多くのご相談をいただいています
まず,従業員が発熱して休業する場合,従業員の感染,発熱について,使用者の責めに帰すべき事情があるような場合を除き,原則として給与や手当を支払う義務はありません。
但し,年次有給休暇が残っている場合や,私傷病手当の支給制度がある場合は,これを使用することを促すことができます。
また,従業員のお子様の学校の臨時休業によって従業員が休みをとるという場合にも,給与や手当を支払う義務はありません。
但し,新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子供の世話を保護者として行うことが必要になった労働者に対し,年次有給化とは別途,有給の休暇を取得させた事業主に対する助成金が創設されました。条件を満たせば,支払った賃金相当額が助成されますので,積極的にご検討下さい。詳しくは,下記をご参照ください。
「小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します」
次に,発熱しておらず,「帰国者・接触者相談センター」でのご相談の結果を踏まえても,就労可能な状態にある人について,感染の疑いがあるとして休業させる場合には,一般的に平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払う必要があります。
また,顧客からのキャンセルにより仕事がなくなり,従業員を休業させる場合については,使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し,不可抗力と言えるか否かを判断することとされており,不可抗力と言えなければ平均賃金の100分の60以上の休業手当てを支払わなければならない可能性があります。
今後,国によって様々な対策が講じられると思いますので,可能な範囲で,従業員の安全や生活に配慮し,柔軟な対応を講じたいものです。
現時点で当職が入手している経産省の最新の対策パンフレット等を添付いたしますので,ご参照ください。資金繰りなどの支援策や相談窓口が整理されています。
なお,厚生労働省から,以下のような情報提供がなされていますので,参考になさってください。
新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)